2024年6月21日
6月度例会
2020年6月度 広報会員拡大例会
引き継いだ赤字を1年で黒字にする損益構造革新
逆境を乗り越えつづけるストーリー戦略
自社業績向上の大きなヒントが掴める
杉岡委員長の元気な挨拶からはじまりました。
続いて井川会長からのご挨拶です。
佐藤さんが苦労の中、どういった意思決定をしてきたのかを学んでほしい。
高畑コーディネーターのご挨拶。
佐藤社長のご紹介
2019年東京プロマーケットに上場
左上の表示が出た時、これまでの苦労と感謝で涙が出た。
SONYのVAIOの難しい部品づくりに挑戦し、成功することで飛躍した。
その他にもスイッチなども製造している。
コロナ対策製品を1ヶ月で開発し発売した。
このスピード感が会社の成長の原動力である。
売上グラフをみてもわかるように順調でなかった。
それぞれの波における意思決定をみていく。
サラリーマン時代、実家に戻るとご両親がよく資金繰りのことなので喧嘩をしていた。
もともとチャレンジ精神旺盛だったので、家業に戻ってなんとかしてやろうと傲慢な気持ちで戻った。
財務状況は散々なものだった。
まずは、変動費、固定費を圧縮し、それから売上に着手した。
変動費、固定費から始めた理由は、人時生産性が悪いと気づいたからである。人時生産性を改善したら1年目から黒字に転換した。
佐藤さんは沢山の本を読まれる。そんな中、田舞代表の「理念経営のすすめ」を読んで、日創研の門を叩いた。
人のこと、お金のこと悩んでいたところ理念という言葉に引き寄せられた。
業績が回復してきたころ、「望郷と決別を」という本に出会い、主人公にあいに中国にまで会いに行き、中国進出を決めた。
その時、低リスクで進出できる美味しい話がちょうど来た。騙されているという声がある中、中国進出を実行に移した。
そんな中、リーマンショックが起こった。
日本が赤字の中、中国工場の利益が会社を救った。その立役者が日本にアルバイトに来ていた中国人の林さんだった。
この林さんとの出会いは本当にラッキーだった。林さんに任せることができたのは、自分がやるより成長する確率が高いと考えたからである。
間借りしていた会社が撤退することになり、その仕事を引き継ぐことになった。
それは間借りしていた当時にきちんと仕事をこなし信頼を得ていたことが成功につながった。
そんな中、主張取引先が経営破綻することになり、その会社を買収することになった。
リーマンショックで会社が大変な時であったが、このままではどうせ駄目になるからと決意し、MAすることにした。
すると不思議とリーマンの反動で売上が戻ってきた。
ここでディスカッション
自社がとっているリスクはどのようなもがありますか?
いよいよタイ進出に踏み切る。これがなければ上場はなかったという重要な意思決定であった。
MAした会社の事業管財人になったとき、機材を海外に持っていくことを条件として、タイに進出した。
タイに進出した理由は、マグネシウムをよく使う高級一眼レフカメラを作っていたからである。
6億ほど必要だったが、自社だけで調達するのではなく、投資家から調達することでリスクをヘッジした。
そうすることで上場を意識するようになった。
絶対に上手くいくと思っていたが、実際は赤字続きであった。
投資家や銀行からの不満もあがったが撤退はしなかった。上手く工程管理だけできれば絶対上手くいくという思いがあったからである。
そんな中、MAした技術部長がタイに行き立て直してくれた。
売上があるということはニーズがあると考えることが踏ん張る支えとなった。
目論見通りに事業は進まないが、社員さんの助けで切り抜け来ている。
どのように権限委譲してきたのか。
それはまず組織図通りに動くことが重要。また社員さんには「攻めろ、お金のことは心配するな」とよく言っていた。
その上で、権限移譲するには、委譲したことをこまめにコミュニケーションを取りながら、メモをとるなどしてきちんと管理することが重要である。
また社員さんに本気になってもらうために、株を買うように進めたら買ってくれ、これでお互い本気になれると嬉しかった。
いよいよ上場。
もちろん新地でもてたいのも理由である(笑)。
一番の理由は、身内だけで経営していては駄目で、外部からの意見を取り入れて合理的な意見を取り入れたかったからである。
また、自分を律する意味でも、ガバナンスを効かせたかった。
またTTで一緒だった金子さんが上場したことも、自分もやっていやるという動機づけになった。
上場して最も変わったことは、新卒の応募が10倍以上になったことである。
逆に、財務の監査が大変で、管理コストが10倍ぐらいになった。
もし今上場前に戻ったとしたらもう一度上場するかは、目標である一部上場まで登ってみないとわからない。
最後に、佐藤社長からのメッセージ
目標を高く持って生きてほしい。
コロナは大きな流れの中で当然起こるものと捉えて、自分の信念を曲げないでほしい。
経営とは、自分の資源をまきこんで高速回転させることのような気がする。
勉強も大切であるが、人との出会い、ビジネスにおいて一緒に成長していける友人知人をいかに持つかが大切だと思う。
そういう仲間を持って、自分の夢実現に向けてがんばってほしい。
まとめ
質疑応答
香港、チャイナリスクはどう考えているか?
様々なリスクヘッジをしているが、預金凍結とかは心配していない。
チャイナリスクについては、中国にはまだまだ可能性があると考える。
そして、中国は避けても通れない。躊躇なく投資する。
コロナ禍の中、タイ・中国などグローバル化についてどう考えているか。
中国やタイでは、強制的な都市封鎖をするなどして、感染を抑え込める。
欧州からタイに製造も戻ってきている流れもあり、追い風だと感じている。
30代、40代の時どのような生活を送っていたか。
移動時間は寝ることなくずっと本を読んでいて、自分ならどうするということを考えていた。
新入社員のころから、自分が部長になったらどうするかをメモを取ることを心がけていた。
いろんなところでアイデアがでるのは、そのトレーニングのお陰だと思う。
コロナ禍の中、経営者の心がけは?
経営構造の変革。ここしかできないことが会社には沢山ある。
コロナ対策の製品を作ったのはそのようなマインドを会社に浸透させる狙いもある。
マインド、プロセス、プロダクトイノベーションを起こし、これは変われると社員さんに光を見せることが重要である。
これから集めるべき情報は?
それはなんのための情報なのかを考えることがまずは大切である。
上場してからはMAの情報が大きくかわった。
謝辞
荒木副事務局長より
佐藤社長、高畑コーディネーター、お忙しいなか沢山の学びをありがとうございました!
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